
「夫のアメリカ駐在が決まったけど、私も運転しないといけないの?」
「日本でもほとんど運転していないのに、アメリカで運転なんてできる気がしない……」
「右側通行って、それだけでも怖すぎる……」
夫のアメリカ駐在が決まり、家族帯同で渡米することになったとき、こんな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
特に、日本では電車や自転車で生活していて、
「免許は持っているけれど、ほとんど運転したことがない」
というペーパードライバーの駐在妻にとって、アメリカでの運転は大きな不安の一つだと思います。
私も最初は、
「できることならアメリカでは運転したくない」
と思っていました。
しかし、実際にアメリカで生活を始めてみると、地域によっては車なしで生活するのはかなり大変です。
スーパーへの買い物。
子どもの学校や習い事。
病院。
友人とのランチ。
日本食スーパーへの買い出し。
何をするにも車が必要です。
夫が仕事に車で行ってしまえば、
「自分で運転できなければ、平日はほとんどどこにも行けない」
という状況になってしまうこともあります。
そこで私も覚悟を決めて、アメリカで運転することになりました。
ところが、いざ運転してみると、
「スピード速すぎない?」
「このSTOPサイン、どうすればいいの?」
「赤信号なのに前の車が右折してる!」
など、日本との違いに戸惑うことばかり。
実際に事故になりかけて、ヒヤッとしたこともありました。
それでも、少しずつ練習を続けることで、一人でスーパーや学校へ行けるようになり、最終的には高速道路も運転できるようになりました。
結論から言うと、
日本でペーパードライバーだったとしても、アメリカで運転できるようになります。
ただし、最初から無理をする必要はありません。
この記事では、ペーパードライバーだった私がアメリカで実際に運転して感じた「5つの怖さ」と、運転に慣れるまでにやったことを紹介します。
これから家族帯同でアメリカへ行く予定で、
「私、本当に運転できるのかな……」
と不安になっている方に読んでもらえたらと思います。
アメリカ駐在では「運転しない」という選択肢が難しい
日本に住んでいると、都市部なら車を運転できなくてもそれほど困りません。
電車やバスがありますし、スーパーや病院も比較的近くにあります。
自転車で買い物へ行くこともできます。
ところが、アメリカでは事情が大きく違います。
特に日本企業の駐在員が多く住んでいる郊外では、
- スーパーまで車で15分
- 子どもの学校まで車で20分
- 病院まで車で30分
- 日本食スーパーまで高速道路で40分
といったことも珍しくありません。
Googleマップで見ると、
「スーパーまでたった3kmだから歩けそう」
と思うかもしれません。
しかし実際には歩道がなかったり、大きな道路を横断できなかったりして、徒歩での移動を想定していない地域もあります。
そのため、駐在妻にとって運転は単なる移動手段ではありません。
アメリカ生活の自由度を大きく左右するスキルです。
私も最初は、できるだけ夫に運転してもらっていました。
でも、毎回夫の休日を待って買い物へ行くわけにはいきません。
子どもの予定もあります。
「やっぱり自分で運転するしかない」
そう思って練習を始めました。
まず知っておきたい「日本とアメリカの運転の違い」
アメリカで運転する前に、まず知っておきたいのが日本との違いです。
もちろん最大の違いは、
日本=左側通行
アメリカ=右側通行
ということ。
でも、違うのはそれだけではありません。
制限速度、STOPサイン、赤信号での右折、スクールバスなど、日本ではあまり経験しないルールがあります。
最初からすべて覚えようとすると大変なので、まずは大きな違いだけ把握しておきましょう。

「日本とアメリカでは、通行方向だけでなくSTOPサインや赤信号での右折など交通ルールにも違いがあります。」
こうして比べてみると、
「アメリカの運転は難しそう……」
と思うかもしれません。
でも、すべてを一度に経験するわけではありません。
まずは自宅周辺。
次はスーパー。
慣れてきたら学校。
というように、一つずつ覚えていけば大丈夫です。
アメリカの運転が怖いと感じた5つの理由
① とにかくスピードが速い
私が最初に怖いと感じたのが、
周りの車のスピードです。
アメリカでは郊外の一般道でも、制限速度が45~55mph程度に設定されている道路があります。
55mphは約88km/h。
日本のペーパードライバーからすると、
「これ、高速道路じゃないの?」
と思うような速度です。
しかも、片側2車線や3車線の大きな道路を、周囲の車がかなりのスピードで走っています。
初めて運転したときは、
「こんなスピードで車線変更なんて絶対無理!」
と思いました。
後ろから速い車が近づいてくるだけでも焦ります。
ただ、ここで大切なのは、
速い車に無理についていかないこと。
制限速度や交通ルールを守り、周囲の状況を確認しながら運転します。
慣れないうちは右側の車線を使い、速い車には先に行ってもらえばOKです。
後ろの車を気にして、自分まで無理にスピードを上げる必要はありません。
② 夜の道路が想像以上に暗い
次に驚いたのが、
アメリカの夜道の暗さです。
日本では住宅街や幹線道路にも街灯があり、夜でも道路全体がある程度見えます。
しかし、アメリカの郊外では街灯が少ない道路もあります。
夜になると本当に真っ暗。
頼りになるのは、自分の車のヘッドライトだけという場所もあります。
すると、
- 車線が見えにくい
- カーブの先が分かりにくい
- 歩行者や自転車を発見しにくい
- 動物が突然飛び出してくる
といった危険が増えます。
特に知らない道を夜に走るのは、ペーパードライバーにはかなり緊張します。
最初は「明るいうちに帰る」でOK
運転に慣れるまでは、できるだけ昼間に予定を入れるのがおすすめです。
買い物も病院も子どもの用事も、できるなら明るいうちに。
夜に運転しなければならない場合は、昼間以上にスピードを控え、必要に応じてハイビームも適切に使います。
「昼に行ける場所なら、無理して夜に行かない」
これだけでもかなり安心できます。
③ 都市部では運転が激しい
郊外で運転に慣れてくると、
「アメリカの運転、意外と大丈夫かも」
と思えるようになります。
ところが都市部へ行くと、また怖くなることがあります。
交通量が増え、
- 急な車線変更
- 突然の割り込み
- クラクション
- 猛スピードでの追い越し
など、郊外とは違う緊張感があります。
ここで重要なのが、
ディフェンシブドライビング(防衛運転)
です。
「周りの車がきちんと運転してくれる」
と思い込むのではなく、
「隣の車が急に入ってくるかもしれない」
「前の車が急ブレーキを踏むかもしれない」
と考えながら、十分な車間距離を取ります。
曲がれなくても大丈夫
私が運転に慣れてから特に意識するようになったのが、
「道を間違えてもいい」
ということです。
「ここで曲がらないと!」
と思って無理に車線変更する必要はありません。
通り過ぎてしまっても、ナビが別のルートを案内してくれます。
数分遠回りするだけです。
道を間違えることより、焦って事故を起こす方がずっと大変です。
④ 日本と交通ルールが違う
右側通行だけでも大変なのに、アメリカには日本とは違う交通ルールがあります。
特に最初に戸惑いやすいのが、
赤信号での右折とSTOPサイン。
地域や標識などの条件によりますが、アメリカでは赤信号でも右折できる場合があります。
ただし、赤信号で右折できる場合でも、まず停止して安全を確認することが基本です。
「NO TURN ON RED」という標識があれば右折できません。
そして、STOPサインではしっかり停止。
4-Way Stopでは、誰が先に交差点へ到着したのかを確認しながら進みます。
さらにスクールバスにも注意が必要です。
州法や道路状況によって細かな違いがありますが、スクールバスが停車して赤いランプやSTOPアームを出している場合、周囲の車に停止義務が生じるケースがあります。
「日本ではこんなルール知らなかった!」
ということが本当にたくさんあります。
そこで、渡米後に運転を始める前に、最低限覚えておきたい交通ルールをまとめました。

「交通ルールは州によって異なります。実際に運転する前に、居住する州の公式ドライバーマニュアルを必ず確認してください。」
この中でも、
STOPサイン・スクールバス・赤信号での右折
は、日本人が特に戸惑いやすいポイントだと思います。
「前の車について行けば大丈夫」と考えず、自分でもルールを確認しておくことをおすすめします。
⑤ 治安の悪いエリアを運転する怖さ
日本では車を運転するとき、
「この道路は治安が悪いから避けよう」
と考える機会はそれほど多くありません。
しかし、アメリカでは地域によって治安状況が大きく異なります。
同じ都市でも、数ブロック移動しただけで雰囲気が変わることがあります。
現地で生活していると、運転中の犯罪や発砲事件について耳にすることもあります。
もちろん、
「アメリカで運転すると犯罪に巻き込まれる」
という意味ではありません。
必要以上に怖がる必要はないと思います。
ただし、
「どの道を走るのか」も安全運転の一部
と考えておいた方が安心です。
私は、
- 治安の分からない場所へ夜に行かない
- 深夜の運転をできるだけ避ける
- 出発前にルートを確認する
- 現地の日本人や会社の人から地域情報を聞く
といったことを意識していました。
なお、治安が心配な場所であっても交通法規は守る必要があります。
不安なエリアがあるなら、交通ルールを無視するのではなく、最初からそのエリアを避けるルートを選ぶ方が安全です。
【体験談】事故になりかけて分かった「焦らないこと」の大切さ
アメリカで運転を始めた当初は、毎回かなり緊張していました。
ハンドルを握ったら、
「右側、右側……」
と頭の中で繰り返す。
車線変更するだけでドキドキ。
知らない道に入ると焦る。
後ろから車が近づいてくると、
「私、遅すぎる?」
と不安になる。
そして、そんなふうに焦って判断しようとしたときに、ヒヤッとする経験もしました。
そこで分かったのが、
運転中に一番危険なのは「焦ること」
だということです。
曲がる場所を間違えてもいい。
高速道路の出口を通り過ぎてもいい。
後ろの車に追い越されてもいい。
ナビがあれば、別のルートを案内してくれます。
それよりも、
「ここで曲がらないと!」
「今すぐ車線変更しないと!」
と焦って急ハンドルを切る方が危険です。
「間違えてもいいから、安全に運転する」
そう考えられるようになってから、運転がかなり楽になりました。
ペーパードライバーは3ステップで慣れていけば大丈夫
ここまで読むと、
「やっぱりアメリカで運転するの怖い……」
と思ってしまうかもしれません。
でも、最初から高速道路を運転する必要はありません。
ペーパードライバーなら、少しずつ行動範囲を広げていけば大丈夫です。
私がおすすめしたいのは、
「できた!」を一つずつ増やしていくこと。
いきなり「どこへでも一人で行けるようになる」を目標にするのではなく、
「今日はスーパーまで行けた」
という小さな成功を積み重ねていきます。

「最初から高速道路を運転する必要はありません。近所→生活圏→高速道路と少しずつ行動範囲を広げていきましょう。」
STEP1:自宅周辺とスーパー
最初は、自宅の周りだけで十分です。
交通量の少ない時間を選び、
自宅 → 近所のスーパー → 自宅
というルートを繰り返します。
同じ道を何度も走ることで、
「ここで右折」
「この信号の次で車線変更」
ということが分かるようになります。
道順を考える必要がなくなるだけで、運転への負担はかなり減ります。
STEP2:学校・病院・ショッピングモールへ
スーパーへ一人で行けるようになったら、少しずつ目的地を増やします。
例えば、
- 子どもの学校
- 習い事
- 病院
- ショッピングモール
- 日本食スーパー
などです。
この段階まで来ると、日常生活で必要な場所へ一人で行けるようになります。
駐在生活の自由度も一気に上がります。
STEP3:高速道路にチャレンジ
一般道に慣れてきたら、最後は高速道路です。
最初は怖いと思います。
特に合流は緊張します。
そのため、最初は夫など運転に慣れている人に助手席へ乗ってもらい、
「一つ先の出口まで」
くらいから練習するのがおすすめです。
慣れてくれば、高速道路の方が交差点や信号が少なく、
「一般道より運転しやすい」
と感じる人もいると思います。
それでも怖いならドライビングスクールを利用しよう
どうしても運転が怖い場合は、無理をする必要はありません。
現地のドライビングスクールを利用する方法もあります。
日本で免許を取得したからといって、
「今さら運転を習うのは恥ずかしい」
と思う必要はありません。
何年間も運転していなかったのであれば、アメリカでプロに教えてもらうことは立派な安全対策です。
むしろ、
- 右側通行
- 車線変更
- 高速道路への合流
- STOPサイン
- 4-Way Stop
- 駐車
などを実際の道路で教えてもらえるので、ペーパードライバーには心強いと思います。
アメリカで安全に運転するために意識したいこと
ペーパードライバーだった私が特に大切だと感じたのは、
- 最初は昼間だけ運転する
- 自宅周辺の短い距離から始める
- 同じルートを何度も走る
- 右側通行を常に意識する
- 十分な車間距離を取る
- 無理な車線変更をしない
- 道を間違えても焦らない
- 治安が分からない地域へ夜に行かない
- 居住する州の交通ルールを確認する
- 不安ならドライビングスクールを利用する
ということです。
特に大切なのは、
「最初から完璧に運転しようとしないこと」
だと思います。
昨日はスーパーまで行けた。
今日は学校まで行けた。
次は高速道路を一つ先の出口まで走ってみよう。
そのくらいのペースで十分です。
【結論】日本でペーパードライバーでもアメリカで運転できるようになる
渡米前、
「日本ですら運転していない私が、アメリカで運転なんて絶対無理」
と思っている方もいるかもしれません。
私も最初は同じように不安でした。
右側通行。
速い車。
広い道路。
慣れない交通ルール。
暗い夜道。
初めて一人でスーパーへ行くだけでも、大冒険のように感じるかもしれません。
でも、毎日少しずつ運転していると、少しずつ慣れてきます。
そして慣れてくると、アメリカは道路や駐車スペースが広い場所も多く、
「意外と運転しやすいかも」
と思える日が来るかもしれません。
何より、自分で運転できるようになると、アメリカ生活の自由度が一気に上がります。
夫の予定を気にせずスーパーへ行ける。
子どもを習い事へ連れて行ける。
友人とランチへ行ける。
一人で買い物にも行ける。
「自分一人で行ける場所」が増えることで、アメリカでの生活そのものにも自信がついてきます。
だから、
「私はペーパードライバーだから無理」
と渡米前から諦める必要はありません。
まずは近所のスーパーまで。
慣れたら学校まで。
その次は少し遠くまで。
一つずつ「運転できる場所」を増やしていけば大丈夫です。
アメリカの運転で一番大切なのは、上手に運転することではありません。
焦らない。無理をしない。そして安全を最優先にする。
最初は怖くても大丈夫。
自分のペースで、少しずつアメリカの運転に慣れていきましょう。





