アメリカ駐在が決まってから英会話スクールに行く意味はある?英語ができない駐在員が渡米前にやるべきこと

「アメリカ駐在を命じられた。でも、英語が全然できない……」

「あと3か月しかないけど、今から英会話スクールに行って意味があるのだろうか?」

「仕事の引き継ぎもあるし、今さら勉強しても間に合わないのでは?」

海外駐在が決まった直後、英語に自信がない人ほど、このような不安を感じるのではないでしょうか。

特にメーカー勤務の場合、アメリカに行けば英語を使う場面は一気に増えます。

現地スタッフとの会議、工場での打ち合わせ、顧客との商談、上司への報告、メール、電話。

仕事だけではありません。

スーパー、レストラン、ホテル、銀行、病院、子どもの学校、アパートの契約など、生活のあらゆる場面で英語が必要になります。

日本では英語を避けながら生活できた人でも、アメリカ駐在が始まった瞬間から、そうはいきません。

だからこそ、

「残された期間で、できるだけ英語を上達させたい」

と思いますよね。

そこで候補に挙がるのが英会話スクールです。

しかし、

「2〜3か月通ったところで話せるようになるの?」

「高いお金を払う意味がある?」

と迷う人も多いと思います。

結論から言います。

駐在が決まってから英会話スクールに行くのは、十分意味があります。

ただし、

「短期間で英語をペラペラにする場所」だと思って通うと、おそらく期待外れになります。

駐在前の英会話スクールには、もっと重要な役割があります。

それは、

「アメリカで英語を伸ばしていくための準備をすること」

です。

この記事では、英語が苦手なままアメリカ駐在が決まった人に向けて、

  • 駐在決定後でも英会話スクールへ行く意味
  • 短期間でも身につけられること
  • 英会話スクールに行っても伸びない人の特徴
  • 駐在前に優先して覚えたい英語
  • 残り1〜3か月でやるべき勉強方法
  • 渡米後に英語を伸ばすための考え方

について紹介します。

「もう時間がない」と諦める必要はありません。

むしろ、駐在が決まった今だからこそ、英語学習の目的を明確にできます。


結論:意味はある。ただし「英語を話せるようになる」が目的ではない

最初に、現実的な話をしておきます。

もしアメリカ駐在まで残り1〜3か月しかないのであれば、

その期間だけで英語を自由に話せるようになるのは難しいです。

週に2回英会話スクールへ通ったとしても、3か月で約24回。

1回50分なら、英語を話す時間は合計20時間程度です。

これだけで、アメリカ人と問題なく仕事ができるレベルになるのは現実的ではありません。

だからといって、

「じゃあ、今から勉強しても意味がない」

ということではありません。

むしろ逆です。

英語がほとんど話せない状態でアメリカへ行くのであれば、少しでも準備しておいたほうがいいです。

なぜなら、駐在前に目指すべきなのは、

「英語を完璧にすること」ではなく、「英語を使い始められる状態にしておくこと」

だからです。

たとえば、現地スタッフから、

“How was your weekend?”

と聞かれたとします。

英語にまったく慣れていなければ、

「How……何て言った?」

と頭の中で日本語に変換しているうちに会話が終わってしまいます。

しかし英会話スクールで何度も似た会話を経験していれば、

“Pretty good. I went shopping with my family.”

くらいは反射的に答えられるかもしれません。

完璧な英語ではありません。

それでも十分です。

この**「とりあえず返せる」経験**が、駐在生活ではとても重要になります。


駐在前の英会話スクールは「準備運動」と考える

英会話スクールをスポーツに例えるなら、本番の試合ではなく準備運動です。

本番はアメリカ駐在が始まってからです。

毎日のように英語を聞き、英語で話し、分からない表現に出会う。

その環境が数年間続きます。

つまり、英語力が本当に伸びるチャンスは渡米後にあります。

ところが、準備をまったくせずに本番へ入ると、最初につまずきやすくなります。

英語を聞く。

分からない。

焦る。

話すのが怖くなる。

会議で発言しなくなる。

雑談にも参加しなくなる。

その結果、さらに英語を使わなくなる。

この悪循環に入ってしまうのが、一番もったいないことです。

駐在前に必要なのは、ネイティブのような英語力ではありません。

「分からなくても、とりあえず英語を使ってみよう」と思える状態を作ること。

そのために英会話スクールはかなり役立ちます。


駐在前に英会話スクールへ行く3つの意味

英語が苦手な人にとって、一番大きな問題は単語力や文法力ではないことがあります。

それよりも、

「英語を話すのが怖い」

という心理的なハードルです。

たとえば、日本の会社で外国人社員から突然、

“Do you have a minute?”

と話しかけられたらどうでしょうか。

英語に慣れていないと、それだけで緊張します。

「聞き取れなかったらどうしよう」

「変な英語を話したら恥ずかしい」

「質問されたら答えられない」

そんなことを考えてしまいます。

ところが、アメリカでは毎日これが起こります。

そのため駐在前に、

英語を話すこと自体に慣れておく

ことには大きな意味があります。

英会話スクールなら、間違えても問題ありません。

“I go there yesterday.”

と言ってしまっても、仕事上の問題にはなりません。

先生が、

“I went there yesterday.”

と直してくれます。

この「間違えても大丈夫」という経験を繰り返すことで、少しずつ英語に対する恐怖心が薄れていきます。

実は、駐在員にとってこれは非常に重要です。

現地で英語が伸びる人は、最初から英語が上手な人だけではありません。

下手でも積極的に話す人です。


駐在前に、難しい英単語を何千語も覚える必要はありません。

それよりも優先したいのが、

何度も使う定型フレーズを覚えること

です。

実際、仕事で使う英語にはかなり「型」があります。

聞き取れなければ、

“Sorry, could you say that again?”

もう少しゆっくり話してほしければ、

“Could you speak a little more slowly?”

分からなければ、

“Sorry, I don’t understand.”

確認したいなら、

“Let me make sure I understand correctly.”

その場で回答できなければ、

“Let me check and get back to you.”

意見を求められて、まだ判断できなければ、

“I’m not sure yet. I need to check the data.”

これでいいのです。

特にメーカー勤務なら、

“We need to confirm the test results.”

“Could you send me the latest data?”

“What is the current status?”

“What is the next action?”

“When can you complete the test?”

など、何度も使う表現が出てきます。

駐在前の段階では、

難しい英語を話せることより、「困ったときに使える20〜30個のフレーズ」を持っているほうが役立つ

こともあります。

英会話スクールでは、こうしたフレーズを実際に声に出して練習できます。


独学だけで英語を勉強していると、

「自分は何ができていないのか分からない」

という問題が起こります。

単語が足りないのか。

文法が弱いのか。

発音なのか。

リスニングなのか。

そもそも英文を作るスピードが遅いのか。

自分一人では意外と分かりません。

ところが、実際に英会話をしてみると弱点がすぐに見えてきます。

先生の質問は分かるけど答えられない。

→ 瞬間的に英文を作る力が弱い。

簡単な文章なのに聞き取れない。

→ 発音や音のつながりを理解できていない。

言いたい内容はあるのに単語が出てこない。

→ 基礎単語・仕事で使う単語が不足している。

このように弱点が分かれば、残された時間で何を勉強すればいいのかが見えてきます。

駐在前の限られた時間だからこそ、「全部勉強する」のではなく、弱点を把握して優先順位をつけることが重要です。


駐在前の英会話スクールの役割

英語がペラペラになる → ×

英語への恐怖を減らす → ◎

定型フレーズを身につける → ◎

自分の弱点を知る → ◎

渡米後に伸びる土台を作る → ◎


逆に、英会話スクールに行っても意味がなくなる人

もちろん、英会話スクールへ申し込めば自動的に英語力が伸びるわけではありません。

使い方を間違えると、

「3か月通ったけど、ほとんど変わらなかった」

となってしまいます。

特に注意したいのが次の3パターンです。

「短期間でペラペラ」を目標にしてしまう

最も危険なのがこれです。

「毎週英会話スクールに行けば、渡米するときには普通に話せるようになるだろう」

と思ってしまうことです。

実際には、そう簡単ではありません。

むしろ目標を高くしすぎると、

「全然話せるようにならない」

「自分には英語の才能がない」

と自信をなくしてしまいます。

駐在前は100点を目指す必要はありません。

30点でもいいのです。

0点の状態でアメリカへ行くより、30点まで準備しておく。

この考え方のほうが現実的です。


スクール以外で何もしない

週2回、50分のレッスンを受ける。

それ以外は英語をまったく勉強しない。

これでは、なかなか伸びません。

重要なのは、

スクール=アウトプット

自宅学習=インプット

と役割を分けることです。

レッスンで言えなかった文章を家で復習する。

知らなかった単語を覚える。

先生に直された文章を音読する。

翌日のレッスンでもう一度使ってみる。

この繰り返しが重要です。


初心者なのにフリートークだけを続ける

「英会話だから、とにかくネイティブと話せばいい」

と思うかもしれません。

しかし、英語初心者がいきなり30分フリートークをしても、

“Yes.”

“Really?”

“OK.”

だけで終わってしまうことがあります。

これでは効率がよくありません。

駐在前なら、

  • 自己紹介
  • 聞き返し
  • 会議
  • 電話
  • 雑談
  • 自分の仕事内容の説明
  • 製品や担当業務の説明

など、実際にアメリカで使う場面を想定して練習するほうがおすすめです。


化学メーカー勤務なら「仕事の自己紹介」を絶対に練習しておく

メーカー勤務の駐在員に特におすすめしたいのが、

自分の仕事を英語で説明できるようにしておくこと

です。

渡米直後は、自己紹介をする機会がかなりあります。

たとえば、

“Hi, I’m Taro. I’m from Japan.”

だけで終わるのではなく、

“I work for the R&D department.”

“I’m responsible for adhesive development.”

“I mainly work with automotive customers.”

“I’ve been working for this company for eight years.”

など、自分の仕事内容まで話せるようにしておきます。

ここは事前に準備できます。

自分の部署。

担当製品。

仕事内容。

これまでの経験。

アメリカで担当する仕事。

これらを100〜150語程度の英語にして、何度も練習しておくだけでも違います。

渡米直後に毎回ゼロから英文を考える必要がなくなるからです。


駐在前に優先して覚えたいのは「聞き返す英語」

英語が苦手な人ほど、

「ちゃんと聞き取れるようにならないと」

と考えます。

もちろんリスニング力は重要です。

しかし、数か月でネイティブの英語をすべて聞き取れるようになるのは難しいでしょう。

そこで、考え方を変えてみてください。

聞き取れるようになるだけではなく、「聞き取れなかったときにどうするか」を練習しておくのです。

たとえば、

“Sorry, could you say that again?”

“Could you speak a little more slowly?”

“What do you mean by ○○?”

“Could you explain that again?”

“Could you show me?”

“Could you send it to me by email?”

これらを覚えておけば、全部聞き取れなくても会話を続けられます。

これは駐在生活で本当に重要なスキルです。

分からないのに、

“Yes.”

“OK.”

と答えてしまうほうが危険です。

仕事では、理解できなかったこと自体より、

理解していないのに理解したふりをすること

のほうが大きな問題になるからです。


英語が聞き取れないときの5ステップ

① まず聞き返す

↓

② ゆっくり話してもらう

↓

③ 分からない単語を確認する

↓

④ 自分の理解を言い直して確認する

↓

⑤ それでも分からなければメールでもらう

「全部聞き取る」のではなく、
「分からなくても会話を止めない」ことを目標にする。


駐在まで残り3か月なら、どう勉強する?

もし渡米まで3か月あるなら、私は次のように勉強することをおすすめします。

最初から難しいビジネス英語を勉強する必要はありません。

まず中学レベルの文法を復習します。

be動詞、一般動詞、過去形、未来形、疑問文、助動詞。

仕事の会話でも、基本的にはこれらの組み合わせです。

同時に英会話を始めて、

英語を声に出す習慣

を作ります。


次に、自分がアメリカで使う英語を集中的に練習します。

たとえば、

  • 自己紹介
  • 自分の仕事内容
  • 担当製品の説明
  • 会議での質問
  • スケジュール確認
  • 試験結果の説明
  • 問題点の報告
  • 次のアクション確認

などです。

一般的な英会話だけではなく、

「自分専用の英語教材」を作るイメージ

です。


最後の1か月は、

「アメリカ人の同僚と会議をする」

「上司に試験結果を説明する」

「工場で問題について相談する」

といった場面を想定して練習します。

英会話スクールの先生にも、

“I’m going to work in the U.S. next month. Can we practice business situations?”

と伝えてみましょう。

駐在先で実際に起こりそうな状況をロールプレイしてもらえば、かなり実践的な練習になります。


アメリカ駐在まで3か月の英語学習ロードマップ

1か月目

中学英文法+英語を口に出す
↓

2か月目

自己紹介+仕事で使う定型フレーズ
↓

3か月目

会議・工場・雑談のロールプレイ
↓

渡米

現地で大量の英語に触れる
↓

駐在開始後に英語力が本格的に伸びる


オンライン英会話でも十分なのか?

結論としては、

オンライン英会話でも十分です。

むしろ駐在前は、仕事の引き継ぎ、引っ越し、ビザ、家族の準備などで非常に忙しくなります。

そんな中で毎回スクールまで移動するのは大変です。

オンラインなら、

「今日は30分だけ」

「出勤前に1レッスン」

「子どもが寝たあとに受講」

といった使い方ができます。

さらに、渡米後も同じサービスを継続できるのが大きなメリットです。

重要なのは通学かオンラインかではありません。

実際に英語を声に出す時間をどれだけ作れるか

です。


駐在前にTOEICだけ勉強するのはダメ?

TOEICの勉強にも意味はあります。

単語、文法、リスニングの基礎力を伸ばせるからです。

ただし、

TOEICだけでは駐在準備として不十分です。

TOEICで700点を取れても、

“What did you do this weekend?”

と突然聞かれて答えられないことはあります。

これは珍しいことではありません。

テストで英語を理解する力と、その場で英語を組み立てて話す力は別だからです。

そのため、

TOEIC・文法・単語=基礎力

英会話=実際に使う練習

と考えるのがおすすめです。

どちらか一方ではなく、組み合わせるのが理想です。


「英語ができるようになってからアメリカへ行く」は無理でいい

駐在が決まると、

「もっと前から英語を勉強しておけばよかった」

と思うかもしれません。

でも、過去を悔やんでも渡米日は待ってくれません。

そして実際には、

日本にいる間に完璧な英語力を身につけてから駐在する必要もありません。

アメリカに行けば、毎日が英語の実践です。

朝、会社へ行けば英語。

会議も英語。

昼食でも英語。

スーパーでも英語。

電話も英語。

最初は本当に大変です。

それでも、毎日英語に触れていると少しずつ変化してきます。

昨日聞き取れなかった表現が今日は分かる。

以前は言えなかった文章が自然に出てくる。

同僚の雑談が少し分かる。

会議で一言だけ発言できる。

そんな小さな変化が積み重なっていきます。

だから駐在前に必要なのは、

完成した英語力ではありません。

現地に行ったとき、

「分からないけど話してみよう」

「聞き取れなかったから、もう一度聞こう」

と思える状態を作っておくことです。


まとめ:今から英会話スクールに行っても遅くない

アメリカ駐在が決まったあとに英会話スクールへ行く意味はあります。

ただし目的は、

「渡米までに英語をペラペラにすること」ではありません。

駐在前にやるべきなのは、

  • 英語を声に出すことに慣れる
  • 間違えることへの抵抗を減らす
  • 自己紹介を準備する
  • 仕事で使う定型フレーズを覚える
  • 聞き返し方を身につける
  • 自分の弱点を把握する
  • 渡米後も英語を勉強できる習慣を作る

ことです。

駐在まであと3か月しかない。

あと1か月しかない。

そう考えると焦るかもしれません。

でも、

「あと3か月しかない」ではなく、「まだ3か月ある」と考えてみてください。

1日30分でも3か月続ければ、約45時間です。

オンライン英会話を週3回入れれば、さらに英語を話す経験を増やせます。

その時間でネイティブのように話せるようになる必要はありません。

自己紹介ができる。

聞き返せる。

分からないと言える。

簡単な雑談ができる。

自分の仕事を説明できる。

それだけでも、何も準備せずにアメリカへ行くのとは大きな違いがあります。

そして、覚えておいてほしいことがあります。

アメリカ駐在は、英語力を試される場所であると同時に、英語力を伸ばせる最高の環境でもあります。

最初から英語ができる必要はありません。

むしろ大切なのは、

英語ができないから黙るのではなく、できないなりにコミュニケーションを取り続けること。

そのための準備として、英会話スクールを利用する。

これが、駐在決定後の英会話スクールの一番効果的な使い方だと思います。

駐在が決まった今からでも、決して遅くありません。

完璧を目指す必要もありません。

今日から少しずつ、「英語を勉強する」から「英語を使う」に切り替えていきましょう。


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