
はじめに|駐在初日の会議で、何も聞き取れなかった
駐在初日の会議。
上司が何かを話し、周囲の現地社員が笑っています。
しかし、私は何がおもしろいのか、まったく分かりませんでした。
聞き取れた単語は、ほんのわずか。
話の流れも分からず、笑うタイミングを少し遅らせて、周囲に合わせることしかできません。
「これから、この人たちと一緒に仕事をしていけるのだろうか」
会議室に座りながら、そんな不安が一気に押し寄せてきました。
当時の私のTOEICスコアは420点台。
海外旅行や海外出張には何度か行ったことがありましたが、英語で仕事を進められるようなレベルではありませんでした。
旅行であれば、ホテルへのチェックインやレストランでの注文ができれば、ある程度は何とかなります。
しかし、アメリカ駐在ではそうはいきません。
- 会議で自分の意見を説明する
- 現地社員からの質問にその場で答える
- 電話で相手の要件を聞き取る
- トラブルが起きたときに、状況を英語で説明する
日本ではそれなりに仕事ができているつもりでも、英語が加わった瞬間、自分の能力が一気に下がったような感覚でした。
もともと、アメリカ駐在の話をもらったときは、大きな期待もありました。
- アメリカという魅力的な国で生活してみたい
- 海外駐在の経験をキャリアアップにつなげたい
- 駐在手当で将来のためにお金を貯めたい
新婚だった私にとって、アメリカ駐在は人生を大きく変えるチャンスだと思っていました。
しかし、その一方で同じくらい大きな不安もありました。
- 英語ができない状態で、本当に仕事ができるのか
- 現地社員から「仕事ができない人」と思われないか
- 妻はアメリカで生活を楽しめるのか
- 駐在に行ったことで、逆に評価を下げてしまわないか
期待と不安の間で、私は何度も迷いました。
それでも最終的にはアメリカ駐在を受け、英語がほとんどできない状態で現地へ赴任しました。
そして実際に始まった駐在生活では、想像以上に英語に苦しみました。
- ☑ 電話が鳴るのが怖い
- ☑ 会議で話についていけない
- ☑ 意見を求められても固まってしまう
- ☑ 英文メールを書くのに30分以上かかる
- ☑ 雑談が続かない
- ☑ 分からないのに笑顔で「Yes」と答えてしまう
- ☑ 自分だけが仕事に参加できていないように感じる
世の中には、このような状況でも物怖じせず、どんどん会話に入っていける人もいます。
しかし、私はそのようなタイプではありませんでした。
間違えたらどうしよう。
聞き返して嫌な顔をされたらどうしよう。
変な英語を話して、「仕事ができない人」と思われたらどうしよう。
そう考えるほど、英語を話すことが怖くなっていきました。
もし今、
「アメリカ駐在の話をもらったけれど、英語に自信がなくて迷っている」
という方がいたら、当時の私とまったく同じ状況です。
しかし、今振り返ると、英語ができるようになったのには順番がありました。
いきなり英会話ができるようになったわけではありません。
少しずつ基礎を積み重ね、実践を繰り返したことで、仕事でも英語を使えるようになっていきました。
まずは、私がアメリカ駐在で経験した流れを、1枚の図でご紹介します。

このロードマップのとおり、私が最初に取り組むべきだったのは、英会話スクールでも、海外ドラマでも、単語帳でもありませんでした。
遠回りに見えるかもしれませんが、最初に必要だったのは英文法のやり直しでした。
この記事では、このロードマップに沿って、
- なぜ英文法から始めるべきだったのか
- アメリカ駐在で実際に困った場面
- TOEIC420点から仕事が回るレベルまで成長できた勉強法
を、私自身の実体験を交えながら詳しくお伝えします。
海外駐在で英語ができない人が、最初にやるべき勉強法
アメリカ駐在が決まると、多くの人はまず英会話を勉強しようとします。
私もそうでした。
アメリカで働くのだから、会話の練習をしなければならない。
ネイティブの英語を聞き取れるようになるために、海外ドラマを見なければならない。
仕事で必要な単語を、できるだけ多く覚えなければならない。
そう考え、いろいろな勉強法を試しました。
しかし、ほとんど長続きしませんでした。
英会話スクールでは、先生の質問に対して単語で答えるだけ。
海外ドラマは、字幕なしではほとんど理解できない。
単語帳で覚えた単語も、実際の会話ではとっさに使えない。
勉強しているのに、仕事では何も変わらない。
そんな状態が続きました。
後から振り返ると、原因はとても単純でした。
私は、英語の土台となる文法を十分に理解していなかったのです。
主語がどれなのか。
動詞がどれなのか。
現在の話なのか、過去の話なのか。
誰が、何を、いつするのか。
この基本が曖昧なまま、英会話だけを頑張ろうとしていました。
文の組み立て方が分かっていない状態で、
瞬間的に英語を話そうとしても、言葉が出てこないのは当然です。
リスニングでも同じでした。
単語をいくつか聞き取れても、
その単語同士がどのようにつながっているのか分かりません。
結果として、会話の全体像をつかめませんでした。
私の場合、英語学習で一番重要だったのは、
勉強内容そのものよりも、取り組む順番でした。
まず文法の基礎を理解する。
次に、簡単な英文を作れるようにする。
その後に、リスニングや英会話の練習を増やす。
この順番に変えてから、少しずつ英語が仕事につながるようになりました。
僕の失敗|英会話から始めて、何度も挫折した
アメリカ駐在前後に、私が最初に取り組んだのは、次のような勉強でした。
- 英会話スクール
- TOEIC用の単語帳
- 海外ドラマの視聴
- YouTubeの英語動画
- 聞き流し教材
どれも、英語学習として間違っているわけではありません。
しかし、当時の私には順番が早すぎました。
英会話スクールでは、講師から質問されても頭の中で文章を組み立てられません。
「週末は何をしましたか」と聞かれても、
"I... shopping... wife..."
のように、単語を並べるだけでした。
先生は意味をくみ取ってくれますが、私は正しい文章を作れているわけではありません。
毎回同じようなやり取りを繰り返し、上達を実感できないまま通わなくなりました。
海外ドラマも同じです。
「英語に慣れるには海外ドラマがいい」と聞き、字幕なしで挑戦しました。
しかし、実際にはほとんど聞き取れず、英語字幕を表示しても文章を読むだけで精一杯。
結局、日本語字幕でストーリーを楽しむだけになってしまいました。
単語帳も長続きしませんでした。
単語の意味は覚えられても、それをどのような文章で使えばいいのか分かりません。
単語を覚えることと、実際に英語を話すことが結び付かなかったのです。
当時の私は、「英語が話せるようになりたい」という気持ちだけが先走り、いきなり難しいことに挑戦していました。
しかし、本当に必要だったのは、中学校や高校で学んだ英文法をもう一度整理することでした。
今振り返ると、私が遠回りをした原因は、「何を勉強するか」ではなく、「どの順番で勉強するか」を間違えていたことです。
同じような英語学習を繰り返している人は少なくありません。
私の失敗と、その後に成果が出た勉強の流れをまとめると、次のようになります。

この図のように、私は最初から英会話やリスニングに挑戦していました。
しかし、英文法という土台がなかったため、英会話もリスニングも思うように伸びませんでした。
一方で、英文法を基礎からやり直してからは、英文の構造が理解できるようになり、リスニングで聞き取れる単語も増え、英会話への苦手意識も少しずつ減っていきました。
ここからは、実際にアメリカ駐在で英語ができずに困った場面と、その後どのように改善していったのかを具体的にご紹介します。
アメリカ駐在で英語ができないと困る場面
海外駐在で求められる英語は、難しいプレゼンテーションだけではありません。
むしろ、毎日の小さなコミュニケーションの積み重ねに苦労します。
朝の雑談が続かない
月曜日の朝、現地の同僚が気を使って話しかけてくれます。
“How was your weekend?”
中学校で習うような簡単な表現です。
しかし、突然聞かれると焦ってしまい、
“Yes, good.”
と答えて終わってしまいます。
本当は、
“It was good. I went shopping with my wife. How was yours?”
と一言付け加えるだけで、会話は続きます。
しかし、当時の私は「正しい文章を作らなければ」と考えすぎて、何も言えませんでした。
雑談は仕事と関係ないように見えますが、
アメリカでは人間関係を作るうえでとても重要です。
毎朝の短い会話が積み重なり、少しずつ相手との距離が縮まります。
私も英語に慣れてからは、
週末の出来事やスポーツ、家族の話などを少しずつ話せるようになりました。
会議で話についていけない
会議では、学校で習わなかった表現が次々に出てきます。
“Let’s circle back next week.”
“Can you follow up on this?”
“What is your opinion?”
最初のころは、
単語の意味が一部しか分からず、会議全体の流れをつかめませんでした。
特に困ったのは、突然意見を求められたときです。
自分に質問されていることは何となく分かります。
しかし、質問の内容を正確に理解できません。
沈黙が怖くなり、笑顔で、
“Yes…”
と答えてしまうこともありました。
当然、質問に対する答えにはなっていません。
このようなことが続くと、現地社員も私に話を振りにくくなります。
私自身もますます発言できなくなり、
会議に参加しているのに、存在していないような感覚になりました。
電話がとにかく怖い
駐在初期に最も苦手だったのが電話です。
対面であれば、相手の表情や身ぶりを見ることができます。
しかし、電話では音だけが頼りです。
相手の名前さえ聞き取れないこともありました。
“Could you hold on a second?”
という簡単な表現でも、音がつながると別の言葉に聞こえます。
日本語の電話でも、相手の声が聞き取りにくく、聞き返すことはあります。
それが英語になると、聞き取れない場面は一気に増えます。
電話が鳴るたびに緊張し、できれば誰かほかの人に取ってほしいと思っていました。
英文メールに時間がかかる
英語が苦手でも、メールなら翻訳ツールを使えるので何とかなる。
赴任前はそう考えていました。
しかし、実際には短いメールを書くのにも時間がかかります。
日本語で文章を考える。
英語に直す。
文法が合っているか確認する。
単語の意味を調べる。
失礼な表現になっていないか見直す。
数行のメールに30分以上かかることもありました。
メールを送った後も、「間違った意味で伝わっていないだろうか」と不安になります。
英語力が足りないだけで、仕事の処理速度まで大きく落ちてしまいました。
駐在中に経験した英語の失敗
時制を間違えて伝える
例えば、昨日資料を送ったことを伝えるとき、
“I send the file yesterday.”
と書いてしまったことがあります。
正しくは、
“I sent the file yesterday.”
です。
相手は意味を理解してくれますが、時制を間違えると、
いつの話なのか分かりにくくなります。
旅行中にも、日時や予定の伝え方を間違え、
タクシーの迎え時間が合わなかったことがありました。
英語では、過去・現在・未来を動詞の形で示します。
文法を曖昧にしたまま話すと、仕事上の認識違いにつながる可能性があります。
分からないのに「Yes」と答える
英語が聞き取れないとき、日本人は笑顔でうなずいてしまいがちです。
私も、相手の話を十分に理解していないのに、
“Yes.”
“No problem.”
と答えてしまうことがありました。
その場は乗り切れたように感じます。
しかし、後になって、
自分が理解していた内容と相手の認識がまったく違うことに気づきます。
期限が違う。
必要なデータが違う。
担当者が違う。
こうした行き違いが起きると、かえって相手の信頼を失います。
英語に慣れてからは、分からないときに確認できるようになりました。
“Could you say that again?”
“Let me confirm my understanding.”
“Do you mean that I should finish this by Friday?”
聞き返すことは、恥ずかしいことではありません。
分からないまま「Yes」と答える方が、仕事では危険です。
単語だけのメールを送る
赴任初期は、メールでも単語を並べるだけでした。
“Meeting tomorrow 3pm OK?”
意味は伝わります。
しかし、社内の簡単な確認であればともかく、
顧客や他部署へのメールとしては、少しぶっきらぼうな印象になります。
文法を学び直してからは、次のように書けるようになりました。
“Would you be available for a meeting tomorrow at 3 p.m.?”
短い文章でも、相手に与える印象は変わります。
難しい単語を使う必要はありません。
基本的な文法を使い、丁寧で分かりやすい文章を作れることの方が重要でした。
アメリカ駐在に必要な英語レベルはどれくらい?
「アメリカ駐在に行くには、TOEIC800点くらい必要なのでは?」
そう考える方は少なくありません。
しかし、私の経験では、TOEICの点数以上に、「仕事で英語を使えるか」が重要でした。
海外駐在で求められる英語は、仕事内容や赴任先によって大きく異なります。
営業、技術、管理部門では、必要となる英語力も変わるため、「TOEIC○点あれば大丈夫」と一概には言えません。
私が現地で本当に必要だと感じたのは、次のような力でした。
- 相手の質問の要点を理解する
- 分からないときに聞き返す
- 簡単な英語で自分の考えを伝える
- メールで依頼や回答ができる
- 会議後に認識を確認できる
私は約12か月間、1日1時間を目安に英語学習を続けました。
もちろん、毎日欠かさず勉強できたわけではありません。
出張や残業で机に向かえない日もありました。
それでも、少しずつ積み重ねることで、仕事で困る場面は確実に減っていきました。
英語が急に話せるようになったわけではありません。
しかし、**「仕事が回るレベル」**までは着実に成長できました。
その変化をまとめると、次のようになります。

ご覧のように、最初から英語が流暢に話せるようになったわけではありません。
まずは会議の内容を理解できるようになり、次にメールを短時間で書けるようになり、電話や雑談への苦手意識も少しずつ減っていきました。
私が目指したのは、ネイティブのように話せることではありません。
「英語を理由に仕事を止めないこと」
そして、
「仕事が回るレベルまで英語力を伸ばすこと」
でした。
ここからは、実際にどのような変化があったのかを具体的に紹介します。
会議の理解度が30%から80%程度に上がった
赴任直後は、会議で話されている内容の3割程度しか理解できませんでした。
しかし、英文法と業務で頻繁に使われる表現を理解するにつれて、会議全体の流れをつかめるようになりました。
自分の専門分野であれば、背景知識や技術用語もあるため、話の大部分を理解できるようになります。
内容が分かるようになると、質問されたときにも短い英語で会話に参加できるようになりました。
流暢に話す必要はありません。
- I agree.
- I have one concern.
- We need more data.
- Let me check.
最初は、このような短い表現だけでも十分でした。
メール作成時間が30分から10分程度になった
文法の基礎が身につくと、毎回ゼロから文章を考える必要がなくなります。
依頼する。
確認する。
報告する。
謝る。
期限を伝える。
業務メールには、よく使う文章の型があります。
その型を理解すると、短いメールであれば10分程度で作れるようになりました。
知らない単語のつづりを調べたり、重要なメールを見直したりすることはあります。
それでも、赴任直後と比べると、仕事のスピードは大きく変わりました。
劇的に英語が話せるようになったわけではありません。
しかし、「英語が原因で仕事が止まる状態」から、「英語を使いながら仕事を進められる状態」には変わりました。
駐在中のリアルな勉強スケジュール
駐在中は、仕事も生活も忙しくなります。
日本との時差があるため、夕方になると日本側からメールや問い合わせが増えることもあります。
私の赴任先では、現地時間の18時から20時ごろが日本の朝にあたりました。
この時間帯になると、
- 日本からのメール
- 電話
- 急ぎの確認
- 顧客への回答依頼
が一気に入ります。
仕事が終わった後も、買い物や食事、家の用事があります。
そのため、「空いた時間に勉強しよう」と考えていると、ほとんど勉強できませんでした。
そこで、私は22時から23時までを英語の時間として固定しました。
21時ごろまでに家の用事を終わらせる。
22時になったら机に座る。
スマートフォンは手の届かない場所に置く。
仕事のメールは開かない。
1時間だけ英文法に集中する。
毎日完璧にできたわけではありません。
疲れて30分だけの日もありました。
それでも、時間を固定したことで、英語学習が生活の一部になりました。
英語は、休日にまとめて5時間勉強するよりも、毎日30分から1時間続ける方が効果を実感しやすいと感じました。
そして、アメリカ駐在には大きな利点があります。
学んだ英語を、次の日に実際の仕事で使えることです。
文法の勉強で過去形を学んだら、翌日のメールで使う。
丁寧な依頼表現を学んだら、現地社員への依頼に使う。
聞き返す表現を学んだら、会議で実際に使ってみる。
日本で英語を勉強していたときとは異なり、アウトプットの機会が毎日ありました。
この環境が、英語力を伸ばすうえで非常に大きかったと思います。
実際に使った教材
私は文法を独学でやり直そうとして、何度も挫折しました。
本屋で参考書を買っても、最初の数章だけ読んで終わってしまう。
分からない部分があっても、そのまま進めてしまう。
どこからやり直せばよいのか分からなくなる。
そこで利用したのが、
「ゼロからの英語やり直し教室 New Beginning」
です。
この教材は、英語の基礎文法を最初から学び直す内容になっています。
- 超基礎からスタート
- 全52回のメール講座
- 音声教材付き
- 文法を中心に学べる
- 自宅で進められる
- 駐在先からでも受講できる
価格は29,800円でした。
正直に言うと、購入するまでかなり迷いました。
英語教材に約3万円。
決して安い金額ではありません。
「今さら英文法にそこまでお金を払う必要があるのか」
「市販の参考書で十分ではないのか」
そう考えました。
しかし、実際に学び始めると、中学校や高校で文法を勉強していたときとは、目的がまったく違うことに気づきました。
学生時代は、テストで正解するために文法を学んでいました。
駐在中は、現地社員とコミュニケーションを取るために学びます。
過去形を覚えるのも、試験問題に答えるためではありません。
昨日何をしたのかを、相手に正しく伝えるためです。
疑問文を学ぶのも、穴埋め問題を解くためではありません。
会議で分からないことを質問するためです。
学んだ内容をすぐに仕事で使えるため、学生時代よりも文法の意味を理解しやすくなりました。
他の勉強法との違い
私が試した方法を比較すると、次のようになります。
| 勉強法 | 良かった点 | 当時の私が苦労した点 |
|---|---|---|
| 単語帳 | 語彙を増やせる | 文章の中で使えなかった |
| 英会話スクール | 実際に話す練習ができる | 文の作り方が分からず単語だけになった |
| 海外ドラマ | 楽しく英語に触れられる | 内容が難しく、ほとんど聞き取れなかった |
| 聞き流し | 移動中でもできる | 意味を理解しないまま音だけ流れていた |
| New Beginning | 文法の土台を整理できる | 価格が高く、継続する意志が必要だった |
大切なのは、どの教材が絶対に優れているかではありません。
自分の英語レベルと目的に合っているかです。
TOEIC700点以上で文法も理解できている人なら、英会話やリスニングを中心にした方がよいかもしれません。
一方で、TOEIC500点未満で、英文を作るときに主語や動詞で迷う人は、先に文法をやり直す価値があります。
実務メールはどう変わったか
文法をやり直す前は、次のようなメールを書いていました。
I send the document. Please check.
意味は何となく伝わります。
しかし、いつ送ったのか、何を確認してほしいのかが曖昧です。
文法とメール表現を理解した後は、次のように書けるようになりました。
I sent the document yesterday.
Could you please review it and let me know if any revisions are needed?
難しい単語は使っていません。
それでも、内容は明確になり、相手に何をしてほしいのか伝わりやすくなります。
英語が苦手な人ほど、難しい表現を使おうとしてしまいます。
しかし、アメリカ駐在の仕事で大切なのは、流暢さよりも分かりやすさです。
短く、具体的に、誤解のない文章を書く。
その土台になるのが文法でした。
29,800円は高いのか
正直に言えば、29,800円は気軽に買える金額ではありません。
日本にいれば、本屋で2,000円から3,000円程度の参考書を購入できます。
合わなければ、別の教材を選ぶこともできます。
無料の動画や英語学習アプリもたくさんあります。
そのため、すべての人にこの教材が必要だとは思いません。
市販の参考書を使って、自分で計画を立て、継続できる人であれば、より安く学べます。
一方で、駐在中は日本と状況が違います。
- 日本語の教材がすぐに手に入らない
- 注文しても届くまで時間がかかる
- 現地の書店には日本人向け教材がほとんどない
- 仕事が忙しく、教材を比較する時間がない
- 分からない部分をそのままにしやすい
その点、電子配信ですぐ始められ、順番に学習を進められる教材は、駐在中の私には合っていました。
時間の節約という面で考える
例えば、英文メールを1通書く時間が30分から10分になったとします。
1日3通書くとすると、1日あたり約60分の差です。
月20日勤務なら、月に約20時間の差になります。
もちろん、教材だけで急にメールが速くなるわけではありません。
実際の業務経験や、よく使う表現の蓄積も必要です。
それでも、英語の土台ができることで、調べる時間や迷う時間は減りました。
駐在期間が3年だと仮定すると、
29,800円を36か月で割って、月あたり約830円です。
月830円で、
- 英語への恐怖が少し減る
- メール作成が速くなる
- 会議の理解度が上がる
- 現地社員と話しやすくなる
- 仕事への自信を取り戻せる
のであれば、私にとっては価値のある投資でした。
ただし、お試し感覚で購入する金額ではありません。
まず無料サンプルを確認し、自分に合いそうかを判断するのがよいと思います。
この教材が向いている人
New Beginningは、次のような人に向いていると感じます。
- TOEIC500点未満
- 中学英文法に自信がない
- 英文を作るときに主語や動詞で迷う
- アメリカ駐在の直前または赴任直後
- 英会話スクールで単語しか出てこない
- 独学では何度も挫折している
- 基礎から順番に学び直したい
一方で、次のような人には合わない可能性があります。
- すでにTOEIC700点以上ある
- 文法は理解できている
- 発音やリスニングだけを集中的に鍛えたい
- ネイティブとの会話量を増やしたい
- 毎日継続する時間を確保できない
自分の課題が文法なのか、リスニングなのか、会話量なのかを考えてから選ぶことが大切です。
英文法だけで英語が流暢になるわけではない
ここまで文法の重要性を説明しましたが、文法を学ぶだけで、英語が流暢に話せるようになるわけではありません。
実際の英会話では、
- 発音
- リンキング
- 音の脱落
- リスニング
- 語彙
- 会話の瞬発力
- アメリカの文化や表現
も必要になります。
私も、ネイティブのように話せるようになったわけではありません。
会話のスピードが速いと、聞き取れないことがあります。
複数の現地社員が同時に話す会議では、内容を追えなくなることもありました。
それでも、英文法を理解したことで、英会話を練習するための土俵に立てました。
文法が分かる。
簡単な文章を作れる。
相手の話の構造を推測できる。
聞き取れなければ、質問できる。
この状態になってから、リスニングや英会話の練習が効果につながり始めました。
アメリカ駐在を迷っている人へ
アメリカ駐在の打診を受けると、魅力と不安の両方を感じると思います。
アメリカで生活してみたい。
海外経験を今後のキャリアに生かしたい。
会社から期待されていることに応えたい。
駐在手当を活用して、将来のためにお金を貯めたい。
一方で、
英語ができなくても本当に大丈夫なのか。
現地で仕事の成果を出せるのか。
新婚生活や家族との関係はどうなるのか。
帰国後に本当に評価されるのか。
さまざまな不安が出てきます。
私も同じでした。
実際、アメリカ駐在は楽しいことばかりではありません。
英語が通じず、悔しい思いをすることもあります。
日本では簡単にできていた仕事に、何倍もの時間がかかることもあります。
自分の能力に自信を失う時期もあります。
しかし、英語ができないことだけを理由に、駐在の機会を諦める必要はないと思います。
英語は、赴任前に完成させておくものではありません。
現地で失敗しながら、少しずつ身につけていくこともできます。
大切なのは、英語ができない自分を隠すことではありません。
分からないときに聞く。
簡単な言葉で伝える。
毎日少しずつ勉強する。
間違えても、次に修正する。
この積み重ねによって、仕事は少しずつ回るようになります。
まとめ|遠回りに見えた文法のやり直しが、最短ルートだった
アメリカ駐在の初期は、英語ができないことによるストレスが想像以上に大きくなります。
会議で聞き取れない。
電話が怖い。
メールに時間がかかる。
雑談が続かない。
「英語ができない人」と思われることが怖い。
私も毎日のように悩みました。
英会話スクール、単語帳、海外ドラマなど、いろいろな勉強を試しましたが、最初は思うように伸びませんでした。
その理由は、英語の土台となる文法が曖昧だったからです。
文法を基礎から学び直したことで、
- 文の構造が分かるようになった
- 会議の内容を推測できるようになった
- 英文メールを速く書けるようになった
- 簡単な文章で意見を伝えられるようになった
- 分からないときに聞き返せるようになった
- 英語に対する恐怖が少しずつ減った
という変化がありました。
もちろん、文法だけで流暢な英会話ができるわけではありません。
しかし、文法を理解することで、英会話を学ぶための土台ができます。
TOEIC400点台でアメリカ駐在を始める人にとっては、英会話だけを急いで練習するより、先に文法を整理した方が、結果的に仕事で使える英語につながる可能性があります。
私は、もっと早く文法をやり直しておけばよかったと思っています。
英語教材に約3万円を支払うことに抵抗がある人は、まず無料サンプルを確認してみてください。
内容を読んで、
「これは今の自分に必要かもしれない」
と感じた場合に、購入を検討すれば十分です。
海外駐在は、英語が完璧な人だけに与えられる機会ではありません。
不安を抱えたままでも、一歩ずつ準備することで、駐在生活は変わります。
英語ができないことを理由に自信を失うのではなく、今日からできる小さな勉強を始めてみてください。
この記事のポイント
✔ 英会話より先に英文法をやり直す
✔ TOEIC420点でも仕事が回るレベルにはなれる
✔ 完璧な英語ではなく「伝わる英語」を目指す


