
「アメリカ駐在が決まりました」
上司からそう言われた瞬間のことを、今でもはっきり覚えています。
海外で働くことに憧れがなかったわけではありません。
メーカーで働いていると、「海外駐在」は一つのキャリアの目標でもあります。
同期からも
「すごいね」
「期待されてるね」
と言われました。
会社でも評価されている証拠。
家族からも
「良かったね!」
と言われました。
でも……
その日の夜、私はほとんど眠れませんでした。
布団に入って目を閉じても、
「本当に自分で大丈夫なのか?」
その言葉だけが何度も頭の中を回っていました。
今振り返れば、それは楽しみではなく、不安でした。
この記事では、メーカー勤務だった私がアメリカ駐在前に実際に感じていた不安と、その後7年間駐在して分かったことをお伝えします。
もし今、あなたが駐在前で不安を感じているなら、きっと同じ気持ちになる部分があると思います。
不安① 英語で最初の自己紹介ができる気がしなかった
一番最初に考えたのは英語でした。
赴任初日。
現地オフィスに入り、
- 自己紹介
- 上司へのあいさつ
- チームメンバーとの会話
これが待っています。
当時のTOEICは決して高い点数ではなく、
「読む・書く」は多少できても、
話すことが全くできませんでした。
頭では英文が浮かんでいても、
口が動かない。
しかも、
アメリカ人は想像以上に話すスピードが速い。
「聞き返したら失礼かな」
「何回も聞き返したら仕事ができない人と思われるかな」
そんなことばかり考えていました。
今なら言えます。
最初の自己紹介は、完璧な英語である必要は全くありません。
現地の人はあなたの英語力ではなく、
「どんな人なのか」
を見ています。
不安② 「駐在員なのに英語ができない」と思われる恐怖
海外駐在になると、
「英語ができる人」
と思われがちです。
でも現実は違います。
技術職の駐在員の多くは、
英語のプロではありません。
私は
「英語ができないことがバレたら終わり」
と思っていました。
でも実際は、
現地スタッフは
「英語教師」
ではありません。
多少文法がおかしくても、
伝えようとする姿勢の方を見ています。
不安③ 会議で発言できなかったらどうしよう
メーカー勤務なら、
海外との会議は避けて通れません。
設計レビュー
品質会議
開発会議
客先訪問
「何も話せなかったらどうしよう」
これも毎日考えていました。
しかし現実は、
最初から積極的に発言する人など期待されていません。
最初は
聞く
メモを取る
必要なところだけ話す
それだけでも十分でした。
不安④ 現地で孤立したらどうしよう
仕事以上に怖かったのが、
人間関係でした。
昼食
雑談
飲み会
イベント
英語が苦手だと、
全部避けたくなります。
でも、
実際は笑顔で
"How was your weekend?"
と言うだけで十分会話は始まります。
雑談は英語力より、
「話そうとする姿勢」の方が大切でした。
不安⑤ 家族を守れるのか
私にとって一番大きかった不安です。
子どもの学校
病院
車の事故
銀行
携帯契約
何かあった時、
英語で対応できるのか。
「自分一人なら何とかなる。」
でも、
家族を連れて行く責任は本当に重く感じました。
だからこそ、
家族とも
「困ったら誰に相談するか」
を事前に決めておくことが大切でした。
英会話スクールにも通った。でも自信はつかなかった
出発前、
焦って英会話スクールへ通いました。
しかし、
先生の英語が聞き取れない。
簡単な質問にも答えられない。
周りの受講生と比べて落ち込む。
「これで本当にアメリカへ行くの?」
そう思う毎日でした。
実際に赴任して驚いたこと
ここからは、
不安だった私が実際にアメリカへ行って驚いたことです。
英語は毎日強制的に伸びる
逃げ場がありません。
スーパー
会社
病院
レストラン
全部英語です。
最初は大変ですが、
2週間くらいで耳が慣れ始めます。
3か月経つ頃には、
「何となく聞き取れる」
感覚になります。
周りは思ったより優しい
一番意外だったことです。
聞き返しても怒る人はいません。
ゆっくり話してくれます。
紙に書いて説明してくれます。
むしろ、
「頑張って話そう」
としている姿勢を応援してくれました。
7年間駐在できた理由
私は英語が得意ではありませんでした。
失敗もたくさんしました。
それでも7年間駐在できました。
理由はたった一つ。
完璧を目指さなかったからです。
分からなければ聞く。
調べる。
メモを取る。
次に活かす。
これを繰り返しただけでした。
駐在前の不安の正体は「知らないこと」
今なら断言できます。
駐在前に感じていた不安の多くは、
「英語力不足」ではありません。
何が起こるか分からないことへの不安でした。
仕事内容が分からない。
生活が想像できない。
失敗していい範囲が分からない。
だから怖かったのです。
知識が増えるほど、不安は確実に小さくなります。
この記事を書いた理由
このブログは、
7年前の自分へ向けて書いています。
英語が苦手で、
家族を連れて行く責任に押しつぶされそうで、
夜眠れなかった自分へ。
「大丈夫。最初はみんな同じだよ。」
そう伝えたいと思っています。
これから駐在するあなたへ
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不安を感じるのは、あなたが真剣に駐在と向き合っている証拠です。
英語が完璧でなくても、失敗しても大丈夫です。
必要なのは、「完璧な英語」ではなく、「困ったら聞く勇気」と「少しずつ前に進む姿勢」です。
私はその状態から7年間アメリカで働くことができました。
だから、今不安で眠れないあなたにも、きっと乗り越えられるはずです。
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